ケニアで壁画を描く
四日前にケニアから帰りました。
帰国した私を見た弟が手話で一言。
「変わらないね」
太陽ギラギラ日差しが強いイメージがあるケニアで2週間過ごした私、真っ黒に焼けて帰ってくることを期待していたもよう。
残念ながら、日陰にいることが多く、日焼け止めクリームも常につけていたので出国時と変わりません。(笑)
ケニアには何故?という人が多かったので今回はそれについて書きたいと思います。
ケニアで、スラムの子たちが通う幼稚園と、国際的な子たちが通う幼稚園の二校を設立し、そこでずっと働いている友人がいて、私もそこで何かしたいと小学生の時からずっと思っていました。
そして、この三月に、バイトで貯めたお金で念願のケニアへ旅たちました。
今回の目的は、
●友人の働きを見ること
●ケニアにいるろう者の人々との交流
●これからの人生の目標を見つけること
この3つです。
ナイロビ滞在中、友人がよく行くというスラムを一緒に歩きました。
友人いわく、二年前にも私と同じように、ケニアで何かをしたいとスラムに来た人がいたが、その人はスラムの入り口の時点でスラム独持の臭いや雰囲気が受け入れらず、入れなかったと。
私も初めての場所でドキドキしていましたが、そこには、
「色のない環境」がありました。
泥壁とサビたトタンの屋根、土ぼこりの道、乾季でかれた草木、茶色が主体でした。
友人はスラムに住む人々と親しく挨拶を交わしたり、会話したりしているのを、私はただそばで見ているだけでした。
帰り際に、スラムの男の人が私の方にやってきて、腕を差し伸べてきました。
手ではなく、腕です。
自分の手は汚れていてあなたと握手するには失礼だから、「腕で握手」だと彼は優しそうな目でそう言いました。私は、彼らに一体何が出来るんだろうと考えさせられました。
ケニアでの二週間をあっという間に過ぎようとしたとき、友人からあることを頼まれました。
なんと、友人が経営している幼稚園のプール壁に絵を書いてほしいということでした。
幼稚園に通う子どもたちは、サファリという壮大な自然があるケニアに住んでいるにも関わらず、本物の動物や海の生き物を見たことがないのです。
動物や海の生き物をリアルに本物みたいに描いてほしいという要望を聞いた私は、すぐえんぴつをとってスケッチを描きました。
一晩かけて書いた下書きを友人に確認してもらったら、「幼稚園に管理者がいるから、彼にペンキの場所きいて書いてね」と言われました。
ペンキなのか!とペンキ初心者の私は、翌日、管理者に見守られながら、一人で絵描きをスタートしたのでした。
ちょうどこの時、ナイロビは3月。
乾季なので、意外と日本みたいなじめじめとした猛暑ということはなく、カラッと涼しい風がふいていました。そんな涼しい太陽の下、数日描き続けました。
そして、三日間で完成しました!
シャチ三匹とそのシャチたちと一緒に遊ぶボーイです。
(ケニアで出会った友人にも手伝ってもらいました!ありがとう!)
このチャンスをいただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
でも、まだ完成ではないのです。
シャチやボーイの周りに、幼稚園の子どもたちが小さい魚や珊瑚を描いて、ようやくひとつの壁絵として完成なのです。
完成するまで見守りたかったのですが、帰国の日が迫っていたため、いつかまたケニアに来よう!と決心したのです。
この旅を通して、私はあることに気づきました。
私は小さい頃から、ケニアに住む友人の話を聞いたり、本などでケニアの様々な問題を知ったりして、大変そうだと思っていたのですが、友人に会うと、友人はいつも最高の笑顔をしているのです。
深刻な問題を抱えている中、なぜとびっきりな笑顔を持っているのか不思議に思っていましたが、今回、ケニアで友人のもとで暮らしてきて、なぜ太陽のようなスマイルをしてきたのか少し分かりました。
・希望を持ち続けること
・芯がブレず、常に明確な目標があり、それに向かってひたむきにいく
日本から遠く離れた国で、異言語、異文化の中、活躍している生き生きとした友人の姿を見て、私も彼女のような、とびっきりな笑顔をしていきたいと思いました。
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